岩井俊二監督の映画「Love Letter」を久しぶりに観た。
やっぱりエモかった。
その言葉に尽きると思う。
映画の内容は他のサイトを調べるとたくさん出てくるので任せるとして、僕はこの映画の画に注目してみた。
高校生の時に初めて見てから、画と演出の美しさに感動することは変わらない。
この映画に感情的なリアリティがあるのは、演出と撮影だと思うし、そこに興味がいってしまう。
僕は冒頭のシーンで、その感動の頂点に達してしまう。
冒頭のシーンは8カットで構成されている。
登場人物・ヒロコが雪の上に寝そべり、目を閉じている。そして目を開く。息を数秒止めていた様で呼吸が荒い。そして起き上がる(25秒)
手のアップで、コートについた雪を手で払い除ける(2秒)
顔のアップ。雪を払い除けている仕草(2秒)
再び手のアップで、コートについた雪を手で払い除けている(4秒)
空を見上げる(1秒)
コートの雪を払い終わった手のアップ(5秒)
何かを感じている様に目を閉じている。そして目を開ける(5秒)
引きの画になり、山の麓へ歩いて行く長回し。
顔の表情、手の動きのアップを編集の強弱と手持ち撮影で、臨場感を与え、リアリティを持たせている。
そして、顔の表情や手の表情、画角の切り取り方、人物サイズなど、ひとつひとつの画が写真的でどこを切り取っても、印象的な写真として成り立っている。
映画を観終わった後、ベッドに横になって目を閉じると、映画の画ばかり浮かんでくる。
とても印象的で感情に訴えかける画なんだと思う。
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