楠 勝平(くすのき しょうへい)という漫画家がいた。
1944年〜1974年の30歳で亡くなった漫画家。
病弱で常に死と隣合わせだったという。
漫画の内容は死が絡んだものが多い。
文学的な、哲学的な感じの漫画で、人物の描写と繊細さ、リアリティの鋭さが胸に突き刺さる。
是非、読んでほしい。
僕が手に取ったのは。
「彩雪に舞う・・・」
「おせん」
という短編作品集の二作。
特に好きなのが、その中の
「ゴセの流れ」
江戸時代くらいの時代設定で。
母のことが大好きな6歳くらいの少年(ジン)。
母は病気がちで、ある日、母が助からないことを聞いてしまう。
死の儚さに打ちのめされるジン。
ジンは病気で苦しむ母を安らげようと、刀で刺して殺してしまう。
それは純粋に母を愛するからこそ。
幽霊になって出てきてくれることを願いながら。
短編漫画だけれど、初めて読んだ時は衝撃的だった。
いつ読んでも印象は強烈で変わらない。
この記事へのコメントはありません。