多摩美術大学の映像演劇学科の2006年の卒業制作を友人と観に行って。
この演劇に出会えた衝撃と喜びは強烈だった。
「貝峠の夜」
今でも友人はあの作品のことは忘れなれないと言うだろう。
そして僕もたまに思い出す。
思い出して、なぜか持っている戯曲を読んでみた。
あの作品を読んで今に生き返らせるということは、ノスタルジーに浸るというより、今の感動を呼び起こす。
とにかくリアリティがある作品で、女性3人のマンションの同棲生活が描かれる。
それぞれの女性は、新社会人、惣菜パート、ニートで。
僕が女性のリアルをわかるのかというと、たぶんわからないので、舞台に感動するのは、普遍的なリアリティを感じるからだと思う。
自分の考えていることの入子構造感やどこまで行っても、一般論から抜け出せない一般論。
具体例がないので、なんのこっちゃわからないけれど、細部と俯瞰した感じのバランスのセンスがすごい。
これは自分の中にはない、描写だけど、どうしてこんなに伝わってくるのだろう?
いや、ちゃんと伝わるように描いているから伝わる。
この作品の内容を伝えるより。
作品を伝える熱量と技術の鋭さを、自分に置き換えて考え直すことをメモしておきたいと思った。
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