初めて2013年に映画館で観た時は、それまでの宮崎作品のイメージで観てしまい、とても戸惑ってしまった。
高校生の時に、宮崎監督の作品が好きな友人と「ラピュタ」「カリオストロ」「紅の豚」のことなどを話すのが楽しかった。
友人が宮崎監督の「雑想ノート」を持ってきた。
見てみると、とても個人的嗜好の本で、飛行機の細部が記されていて、宮崎監督ってこのようなことが好きなのかぁ、と衝撃を受けたことを覚えている。
「風立ちぬ」はまさに、雑想ノートのような映画で、僕はそれがとても嬉しかったし、感慨深くて感動した。
だから「風立ちぬ」の映画を見るたび、自分の一番夢中になれることに熱を注ごう、それが生きることだと勇気がもらえる。
この映画では何度も美しいという言葉が出てくる。
「美しい、、、」とても好きな言葉。
僕は人それぞれが、それぞれの美しさ(美意識)の上に生きていると思っている。
主人公の堀越は美しい飛行機を作ることに生きている。
飛行機に夢中になり、恋に愛に夢中になる。
堀越は美しい飛行機を作るという理想に全てを注ぐことが、「生きること」であり、その夢中になる姿に感情移入せずにはいられなかった。
ともすれば飛行機を作ることは、殺戮兵器を作っているという見方もできてしまう。
「飛行機を作ることは呪われた夢だ」と言うセリフが複数でてくる。
宮崎監督も面白いアニメーションを作れば作る程、子どもたちが自然で遊ぶ時間を奪って、後ろめたさを感じるとインタビューで話していたのを思い出す。
映画で「問題は広く深く遠くにある」というセリフが出てくる。
だからこそ夢中になって今を生きるしかない。
生きることは矛盾だらけで大変だけど、生きるしかない。
生きねば
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