東京に住んでいた時、職場の友人が「すごく良いところを見つけたから連いてこい」と僕の返事なんておかまいなしに僕を引っ張り出して西荻に連れ出した。
大体その友人が連れていくところはご飯屋さんが多かったが、珍しくそこはCDショップだった。
音楽に詳しくない僕には、ひとつも知らないCDがたくさんあったけど、小さな店内で流れている音楽が心地良く、目の前の下町の高架下沿いの景色がノスタルジーを醸し出した写真の様で、頭のてっぺんらへんにイメージが焼き付いている。
そのお店の名前が素晴らしかった「雨と休日」。
今日の様な雨の日に景色を眺めながら、雨音に耳を傾けていたらそれを思い出した。
今日はそんな雨の日。
空から降ってくる雨が水溜りや屋根、葉などに当たる音と共に、水が流れる音が落ち着くし、とても興味深い。
そして雨の景色はそんな音と共に、ずっと眺めていられる。
雨が当たって揺れる葉だったり、雨に濡れた緑はより深く濃く艶やかになる。
雨はとても良いなぁ。
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